演出ノート[有明をわたる翼公演のムーヴメント振り付けとして思ったこと]

僕は、いつも、演劇の本質を伝えたいと思っている。
 「演劇の仕事とは、なんのためにするのか?」というのは、壮大的で貴重なテーマだが、僕は、見える見えない、聞こえる聞こえない、話す話さないを超え、関係なく誰でも感動させるための仕事だと思っている。
 この度の振り付けで一番考えたことは、違う生物(人間以外の生き物)になり切れるかどうかだ。
 実際その場にはいない様々な生物に成りきることは難しいだろうが、成りきろうと思えば、その生物に共鳴できる、より良い表現者になれると思う。
 吉田松陰さんが「獣と人間の違いを知ることがスタートだ」と、塾生に教えていたらしい。
 誰かが喜んで、それを自分が嬉しいと思えるという感情は人間にしかなく、動物との大きな違いであるということか。
 となると、人間以外の生き物と共感するのは難しい。
 しかし、この舞台において、私はこう考える。
 生き物それぞれの本質と魅力を知りつつ、人間が、他の生き物も含めた誰かが喜ぶ姿を見て、その相手以上にどんどん嬉しくなってしまう特殊な生き物になれるといい。
 それを大切にしていくと、いい舞台ができるし、幸せな表現者になるんじゃないと思う。
 そういう壮大な気持ちもありながら、今は、目の前のお客様をいかに喜ばせるかということを考えている。
 僕にできることは、これまで学んできた《遠野物語》の馬役や《猿の王》の猿役演劇に関する知識や魅力を、次の人たちに正しく伝えることだと思っている。

庄﨑隆志       
2015年12月21日


 演劇企画フライウェイ~有明をわたる翼~稽古の中で、“変わらなければ”“発見しなければ”“前に進まなければ”と考えて海神のパフォーマンスはしているのですが、“出し切った”と言う日は来るのだろうか。
 出演メンバーたちがどんどん進化していく様子は非常に頼もしく、こちらも嬉しくたくさんの驚きをいただける毎回稽古に励んでおります。

演劇企画フライウェイ『有明をわたる翼』九州ver.

【日時】2015年12月19日(土)12:00 / 17:00

 開場は開演の30分前(受付60分前)

【会場】アクロス福岡(地下2階)イベントホール

 福岡市中央区天神1丁目1番1号
 地下鉄空港線天神駅16番出口直通

チケット(全席指定・税込)※前売り・当日

 一般3,000円 ペア5,000円 学生2,500円(当日学生証をご提示ください)
 ※ペアチケットは前売りのみの販売となります。

チケット申し込み先

○カンフェティ:http://www.confetti-web.com/
○電話予約:カンフェティチケットセンター
 0120-240-540(受付時間 平日10:00~18:00)
○チケットぴあ:Pコード446−166
○福岡市文化芸術振興財団「アートリエ」チケットセンター
 福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7F
 (福岡アジア美術館内・10:00~19:30/水曜休館)

観劇サポート

 聴覚障害をお持ちのお客様向けに、無料で再構成台本の貸し出しを行います。
 車いす席のご用意がございます。
 ご希望の方はflyway.ariake@gmail.comにお申し込みください。
 公演に関するお問い合わせメールアドレス flyway.ariake@gmail.com
 演劇企画フライウェイ
 公式サイト:http://hedisteiijima.wix.com/flyway
 Facebookページ:https://www.facebook.com/AriakekawagokaiFlywai
 電話番号:090-9678-7334(12月17日~19日のみ)

後援 

日本ベントス学会自然環境保全委員会、日本魚類学会自然保護委員会、日本野鳥の会、WWFジャパン
社会福祉法人福岡県聴覚障害者協会

協力 

いきもにあ、よろづや商店、 trashmasters、イエローキャブプラス、リベルタ

観劇サポート協力

NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)

脚本

堀良一、飯島明子、野﨑美子

演出

野﨑美子

キャスト

神田敦士、崎野亜紀子、羽根渕章洋、庄﨑隆志、渡辺英雄、友野翔太、板津未来、 宮原清美、高橋洋介、佐藤幹、宮崎陽介、小林美歌

加耒徹

演奏

川村亘平斎(パーカッション)、荒井靖水(薩摩枇杷)、喜羽美帆(二十五弦箏)、丸山麻美(ピアノ) 

スタッフ  

舞台監督:清水義幸(カフンタ)
照  明:増子顕一
美  術:佐藤朋有子
音  響:藤平美保子
衣  裳:太田家世
ムーヴメント:庄﨑隆志

制作

廣川麻子(ヒロカワ企画)、宮原清美

制作協力

アートタマネジメントセンター福岡(AMCF)

プロデューサー

飯島明子

【あらすじ】渡りの旅の途中でシギたちが目にしたものは、巨大な堤防によって死に追いやられた干潟と、その堤防をめぐって真っ二つに引き裂かれた漁師町だった。荒ぶる海神の前で、生き物たちと人々の運命が交錯する。