演劇の基礎、身体表現、手の表現、ノンバーバル、オブジェクトを使った表現を通して、より多くの人と関わり、相手に伝えようとするために表現することの楽しさ、伝わりあえたときの喜びなどを味わってもらうために参加者を促していきます。
音声言語に代わって手話を含めた身体表現で参加者の皆さんと視覚的にコミュニケーションをたくさんとりましょう。
夢の一杯つまった劇遊びのワークショップや即興レッスンを一緒にやりましょう。
みなさんのからだの中にある可能性や、魅力を引き出すお手伝いをします。
企画1 ノンバーバルコミュニケーション遊学のススメ
〜ノンバーバルコミュニケーションの幅を広げよう〜
ノンバーバルコミュニケーションの世界は進めば進むほど奥が深い。
カラダ・手の動き、表情、表現の位置関係、どのように表せば相手に伝わるのだろうかと、苦手意識を持ったり、悩んだりする人も多いかと思います。
私は、これまでノンバーバルの世界の根本にある、音以外のコミュニケーションについて考えてきました。
それは、手・足・体・目・顔などの自分自身を使ったコミュニケーション、それから自分自身と周りの空間や物とのコミュニケーション、そして、自分と相手との関係におけるコミュニケーションなど、さまざまな身体によるコミュニケーションです。
これらは、演劇の世界における演技の基本でもあります。
ですから、これらのコミュニケーションは、自分の中での手話の世界を広げただけでなく、ムーブメントシアターや無言劇などのノンバーバルな表現の充実にもつながり、俳優である自分にとっては表現スタイルや表現の場の広がりとなりました。
私はこれまで「身体表現ワークショップ」を通して、演劇を学習する方たち、演劇に興味のある方たち、手話を知らない方たち、学校、サークル、老若男女いろいろな方たちと、身体表現によるコミュニケーションについて共有し合ってきました。
ワークショップに参加したみなさんとは、相手に伝えようとする気持ち、伝えようとしても伝えられないもどかしさ、伝わったときの喜び、伝え合った充実感などを共有できたと感じています。
どうやったら相手に伝えられるだろうという気持ちがたくさんある人が、ワークショップを通して、少しでも工夫の仕方を知り自分なりに応用していくことで、それらの工夫や応用が、手や顔、体に乗って表現され、本当に伝えたかったことがその人らしさで相手に伝わることが、コミュニケーションの第一歩だと考えます。
ワークショップ紹介
①ボティランゲージ・ニュートン法則 地球と林檎
《誰でもらくらく身体表現でおしゃべりができる》
②トライアングル・サイレントオーケストラ
《みんな、それぞれがスターに/のびのびと音楽のカラダを創る》
③壁から出発
《誠実でコツコツと作業するみんながスターに》
《あきらめとあせりの日々 丹念に空間を描く》
④遠野物語のオシラサマ
企画2 アートボディコミュニケーション遊学のススメ
〜からだで伝える 心で感じる〜
1.表現
私たちは普段の生活の中で、からだをどのように動かしているのでしょうか。
その動かし方は人によってさまざま。
例えば「歩き方」ひとつとってみても、肩が右上がりになっていたり前傾姿勢だったり…。
それぞれの「個性」があります。
車椅子ひゃ杖を使って歩くのも「個性」です。
お互いの個性を発見しあいましょう。
見えないボールを投げてみましょう。
ボールを受け取るときの動きは? 視線は?
見えないドアを開けてみましょう。
ドアノブはどこ?
あけるときの動作は?
音のないオーケストラをみんなでやりましょう。
からだ全体を使って見えないものを見たり見せたり、聞こえないものをきいたりきかせたりする表現に挑戦しましょう。
2.手の表現
食べる、何かを持ち上げる、握手する、手はいろいろな役割をしています。
手を中心にどんな表現ができるか考えていきましょう。
手が動物や鳥に変身したり、人間の喜怒哀楽をあらわしたりします。
耳の聞こえない人は手話を使ってコミュニケーションします。
絵を描くような気持ちで視覚的コミュニケーション「手話」にもふれていきます。
3.モノを使った表現
指が男と女に変身!!見えない花に見えない蝶々がとまろうと ものに命を吹き込みましょう。
例えば普通の紙に切り込みを入れて仮面を作ります。
できたばかりの仮面には、その性別も年齢も、性格もありません。
それを動かして仮面の個性をつくってみましょう。
ダンボールや新聞紙、ペットボトルも人形に変身させましょう。
アルトーの遺書 2015.9.6
企画3 ムーブメントシアター遊学のススメ
〜ファミリー演劇入門〜
あれ?壁があるよ!?ホントだ!! 家族で演劇遊びをしましょう。
みなさん、普段はボールや風船など道具を使って遊んでいますね。
このワークショップでは、見えないボールや見えないなわとびで遊びましょう。
見えない風船を飛ばしてみましょう。
見えないちょうちょを追いかけましょう。
頭ではなく心で考えて動くと、子供も大人も楽しくなります。
ワークショップの後には、雨が降っても、見えないボールやなわとびならば家の中でも一緒に遊べますよ。
対 象 : 幼児4歳以上小学生まで (できれば保護者も一緒に)
参加者数 : 20名以上
時 間 : 60分
会場条件:教室、体育館、多目的室、屋外など、平土間な場所
準 備 物:ホワイトボード(または黒板)、動きやすい服装
企画4 演劇コミュニケーション遊学のススメ
人にはいろいろな性格や癖があります。
からだを動かすことで自分の性格や癖を再確認したり他の人の性格や癖を発見し、認め合いましょう。
それぞれの歩き方を見合いましょう。
それぞれの性格や癖を理解できたら真似をしあいます。
それは、演劇の始まりでもあります。
次は、喜怒哀楽をからだで表現します。
演劇で大事なことは技術よりも自分の感覚を自覚し、表現することです。
人に何かをうったえかけたり伝える時には、相手を認めたり知ったりすること、また伝わるような表現を工夫することが大切です。
そのような感覚は、みなさんのからだの中にあるはずです。
歩き方や喜怒哀楽の表現を通してみなさんの感覚を呼び覚ましましょう。
対 象 :
①中学生以上大学生まで
②教員、保育士、施設職員など、人に関わる仕事をしている方
③アマチュア演劇や人形劇に関わる方
参加者数:20名以上
時 間:90分
会場条件:教室、体育館、多目的室、屋外など、平土間な場所
準 備 物:ホワイトボード(または黒板)、動きやすい服装
デーリー東北 2004.5.26
企画5 オブジェクトシアター遊学のススメ!
内容:
人形劇の第一歩は、足と腰、そして間です。
まずは、足取りの練習をします。そしてそれぞれ紙で仮面を作ります。
できたらその仮面人形を歩かせます。
歩けたら、他の仮面人形と対話をします。二人の位置関係や背景、視線、気持ちなどを考えて間を意識しながら対話をしましょう。
さらには複数の仮面人形で対話をしていきます。
最後には参加者全員でひとつの舞台を作り上げましょう。
単に人形を動かすことが目的ではなく、自分自身と人形を知ることが大切です。
まず、自分の中にイメージを作り、人形を自由に動かしてみます。
この時自分自身と人形との間で感じるものを大切にすることが重要です。
対象:
①アマチュア演劇や人形劇に関わる方
②教員、保育士、施設職員など、人に関わる仕事をしている方
参加者数:20名以上50名程度まで
時 間:90分
会場条件:教室、体育館、多目的室、屋外など、平土間な場所
準 備 物:ホワイトボード(または黒板) 、動きやすい服装
アメリカポーランド大学・人形劇講義
企画6 絵本をからだで語ろう遊学のススメ
「スイミー」(レオ=レオニ 谷川俊太郎訳)「あらしの夜に」「よだかの星」 などの絵本の読み聞かせを手話や身振りでやってみましょう。
ただ日本語を手話に置き換えるだけではなく、絵本の内容をよくとらえ表現します。
絵本の世界を深く知るため表現しながら読み、読みながら表現し、と繰り返していきましょう。
自分たちで考えた表現を発表しあい、それぞれの絵本のとらえ方や表現の違いを見ましょう。
表現の仕方はさまざまです。
独りでの発表、グループでの発表、自由に表現を考えて相手に絵本の内容を深く伝えましょう。
参加者の皆さんの希望する絵本があればそれを使ってもかまいません。
対 象:大人参加者数:50名前後
時 間:90分
会場条件:教室、体育館、多目的室、屋外など、平土間な場所
準 備 物:ホワイトボード(または黒板)、動きやすい服装、絵本や絵本のテキスト
《参加者の声》教員
- 絵本の世界をこんなに深く考えたのhが初めてでした。
- 手話だけにこだわらず、身振りで思い切り表現できてよかった!
企画7 手話CL遊学のススメ
内 容:
手話と絵とCLを関連付けながら、魅力的な手話表現をみんなで作り上げましょう。
遠くへ行く鳥の様子や近くにいるときの表情などを表すときの動画的な表現、話の中の登場人物の場所を決めたり立ち位置を変えてひとりで何役もやり、ドラマをやるような表現、ものの落ちる音やにおい方などの五感の表現など、手話にはいろいろな特徴があります。
ひとつひとつ例を挙げたりみなさんに考えてもらいながら手話の魅力にせまりましょう。
先人のろう者の知恵から生まれた手話CLや、地方による手話表現の違いも紹介していきます。
対 象:手話CLに興味のある方、魅力的な手話表現を覚えたい方
参加者数:300名まで
時 間:90分
会場条件:教室、体育館、多目的室、屋外など、平土間な場所
準 備 物:ホワイトボード(または黒板)、動きやすい服装
《参加者の声》手話サークル会員
- 手話の深さをあらためて感じました。伝えようと思って手話を表すことの大切さがわかりました。
- 全国を回って活動しているならではの手話の「方言」のお話楽しかったです。
企画8 21世紀を表現者として生きるワークショップ
〜静かに向かいあうカラダと心、手とコトバ、そこから生まれる関係〜
現在、キレる子どもの問題など、コドモをめぐる危機的状況がクローズアップされています。
そのような中、私は、子どもたちと一緒に演劇や絵本朗読、手話劇などの表現活動の実践を通してコミュニケーションの回路を探っています。
それは学校で、そして地域の文化活動の現場で展開されています。
今回は、「身体表現のワークショップ」といってもコミュニケーションするための初めから分かりやすく大きく表現することはしません。
また、良い手話を表現することを目的ともしません。
身振りをするときに日本語の意味を解釈しようとするわけでもありません。
日本語を発する前に、沈黙となり、静かに向かいあうことからはじめたいと思っています。
そうすることで子どもたちとのコミュニケーションの回路を探っていくこと、また、オトナ自身が心とカラダを解放し自分自身の表現の可能性を拓く二日間にしたいと考えています。
私はいつも、手話劇や演劇、ダンス、絵本語り…の根底は「身体(カラダ)」があると考えています。
パフォーマンスをすることでやる人(見られる人)と見る人皆が一緒に「身体」に出会おうとします。
相手の「身体」に出会うーつまり反応をとられる。
これを経験してみると「身体の動きが自然体となり、絵本語りや手話マイムの表現が生き生き出来るとやる側も見る側も心が広がり深まる」「見ている側までカラダを動かしたくなる」「自分思いだけではなく他人の思いも考えるようになる」と、新たにいろいろ触発されます。
お互いの「身体」の変化や構造がいくつも発見できるようになり、その発見はさらなる「身体」の変化をうみます。
私も毎回新たな発見と出会うことが出来ます。
また今回も「身体表現のワークショップ」という芸術の場所で、どんな驚きと出会えるか、楽しみにしています。
皆さんでオリジナルな世界を創りましょう。